観測領域と座標
電離圏
太陽放射などで大気の一部が電離し、電子とイオンが存在する領域です。性質は高度、時刻、緯度、地方時、太陽・地磁気活動によって変わり、一つの境界高度で固定された層ではありません。
プラズマ圏
地球磁気圏の内側にある、比較的低温で高密度なプラズマの領域です。電離圏とは磁力線を通じて結び付いていますが、同じ領域を指す語ではありません。
地磁気座標
地球の磁場を基準に位置を表す座標系の総称です。地理緯度・経度とは異なるため、解析では採用したモデル、定義、時刻を確認します。
観測量と観測基盤
GNSS-TEC
GNSS衛星と受信機を結ぶ信号経路に沿った全電子数です。斜めの経路に沿う値と鉛直方向に投影した値を区別し、仰角、バイアス、基準、投影の仮定を確認します。
Swarm衛星
欧州宇宙機関の地球磁場観測ミッションです。複数衛星による磁場、電場、プラズマ、軌道のデータを扱う際は、製品名、版、品質フラグ、対象期間を確認します。
沿磁力線電流
地球の磁場に沿って流れる電流成分です。衛星の磁場観測から推定する場合は、軌道、背景場の除去、空間構造、推定に用いた仮定が結果に影響します。
変動と周波数解析
磁気リップル
低高度衛星の磁場データに見られる、短い空間・時間スケールの変動を表す語です。名称だけで発生源は分からないため、軌道、周波数帯、電流構造、ほかの観測との対応を検討します。
Pc3地磁気脈動
慣例的な周期帯で分類される、連続型の地磁気脈動です。周期がその帯域に含まれることだけでは、太陽風、磁気圏、大気・地表現象など、特定の励起源を証明できません。
パワースペクトル密度(PSD)
信号の分散やパワーが、周波数ごとにどのように分布するかを表す推定量です。窓、区間長、重なり、トレンド除去、正規化、単位の選び方で形と値が変わります。
地方時
観測地点の経度と太陽との位置関係に基づく時刻表現です。衛星では軌道に沿って変わるため、UTCや位置と合わせて、用いた定義を確認します。
大気・固体地球との結合
音響重力波
大気の圧縮性と浮力に関係する波動の総称です。性質は周期、高度、伝搬条件で変わり、地上と上空の変動が同じ時刻に現れることだけでは、伝搬経路を確定できません。
ラム波
主に大気下層を水平方向に伝わる大気波動のモードです。到達時刻や見かけの速度を比べる際は、発生時刻、距離、伝搬経路、背景大気、時刻の基準を確認します。
用語を読むときの注意
同じ語や略語でも、論文、データ製品、分野によって定義が異なることがあります。観測や解析を確認するときは、使われた座標系、製品、処理条件と合わせて読んでください。