研究範囲
主に電離圏と、その上層に広がるプラズマ圏の変動を研究対象としています。電波伝搬や衛星測位にも関わる領域ですが、このページでは観測データの比較と解釈の考え方を紹介します。
中性大気からのエネルギー・運動量輸送や、磁気圏との結合にも注目します。衛星と地上の観測を比べ、複数の要因を検討します。
下層大気は主な解析対象ではありませんが、上層大気との関係を検討するため、必要に応じて気象などの背景情報を参照します。高度図は、おおよその領域を示す概念図です。
(km)10,0001,0001000
60 km+ Neutral
atmosphere
主な観測データ
衛星と地上の観測は、場所や測る量が異なります。以下は、各データを比較に使う際の代表的な用途です。すべての項目を各製品が直接観測するという意味ではなく、実際の解析では製品・版・観測範囲を確認します。
表の記号:● は代表的な活用対象、− はこの表では対象として挙げていない項目です。各データによる直接観測の可否を表すものではありません。
| データ種別 | 目的・活用 | 主な評価・解析対象 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 電離圏電子密度 | 電離圏擾乱 (プラズマ構造) | 電場・電流系 (ダイナモ) | 大気圏密度 (熱圏) | 太陽・磁気 擾乱応答 | ||
| GNSS-TEC | 電離圏全電子数(TEC)の全球分布を高時間分解能で把握。擾乱の検出と構造解析に活用。 | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 | この表では対象として挙げていない | 代表的な活用対象 |
| 低高度衛星 | 熱圏密度や組成、イオン速度などを直接観測。軌道抵抗や電離圏結合の評価に活用。 | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 |
| 地磁気指数 | 磁気嵐やサブストームの強度・時系列を把握し、電離圏・熱圏応答を調べる際の背景条件を確認。 | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 | この表では対象として挙げていない | 代表的な活用対象 |
| 背景情報 | 太陽活動や気象状況などの外部環境を把握。擾乱要因の分離・解釈に活用。 | この表では対象として挙げていない | この表では対象として挙げていない | この表では対象として挙げていない | 代表的な活用対象 | 代表的な活用対象 |
解析フロー
観測範囲、時刻、位置関係を順に確認し、比較できるデータを選びます。一つの見方に偏らず、別の条件でも同じ特徴が現れるかを検討します。
- 観測範囲
対象時刻、地域、衛星・受信機ペア、比較期間を決め、観測範囲と欠測を確認します。
- 時間変化
TEC、衛星観測、地磁気指標を同じ時間軸に並べ、背景変動や外部擾乱との関係を確かめます。
- 観測の位置関係
緯度・経度、地方時、地磁気緯度、仰角を確認し、観測位置の違いを踏まえて比較します。
- 比較と解釈
短時間の変化から結論を急がず、別の期間や経路でも見られる特徴かどうかを確かめます。
図と解釈
ここに示す図は、表示形式を説明する模式例です。時系列や地図は、それぞれ異なる側面を示します。図の形だけでなく、観測位置、処理条件、不確実性も合わせて読んでください。
時系列
時間の変化を追跡し、イベントや変動のタイミングを把握します。
空間分布
緯度・経度上の分布を可視化し、構造や広がりを把握します。
観測幾何
観測の幾何関係を示し、IPPや視線方向の理解を支えます。
解釈の限界
不確かさや前提条件を明示し、解釈の限界を慎重に扱います。
関連解析とのつながり
電離圏・大気圏の変動を検討する際は、低高度衛星の磁場・プラズマ観測や、地上の地磁気脈動も関連する情報です。
下層大気・地圏現象との比較では、イベントだけでなく、太陽・地磁気活動などの背景条件も確認します。
各研究テーマのページでは、扱う観測と解析の考え方を説明しています。複数のデータが一致しても、因果関係が確定するわけではありません。
研究情報と相談の案内
公開情報の案内、処理方法、相談窓口は、以下のページをご覧ください。



